あそんじゃうの研究
かたちがあそびを引き出す?
オブジェのような、アート作品のような、不思議な物体。プロダクトデザイナーの深澤直人氏が生み出す「YUUGU」は、頭で考えるよりも先に子どもが無意識に「あそんじゃう」遊具シリーズです。抽象的な造形の中に「すべる」「のぼる」「よりかかる」といった行為のスイッチとなる要素が内包されたデザインが特徴。
PLAY DESIGN LABではYUUGUを用いて子どもたちが「あそんじゃう」様子を観察し、遊具のかたちと行為の関係を、生態心理学の視点から分析しました。こうしたアフォーダンスの研究は日々の遊具づくりにも生かされています。
あそんじゃうを解き明かす
PLAY DESIGN LABでは、日本のアフォーダンス研究の第一人者であり、LABの外部フェローでもある佐々木正人氏と東京大学大学院の専門調査チームと共に、YUUGUで遊ぶ子どもたちを調査。「意識せずにものや環境と自然に調和する人間の機能」について観察・分析を行いました。
例えばBANRI(バンリ)の些細な面のつながりの中には、子どもに多様な行動を与える形状が潜んでいることや、CUBE(キューブ)はシンプルな形状にも関わらず、性質がはっきりと分かれる造形の集合体のため、複雑で多様なあそびを誘発することなど、遊具のかたちと行為の密接な関係性が改めて実証されました。